大切と慣れ。

 

 

大切だとよくわかっているはずなのに

 

なぜその大切をあっけなくも手放してしまうんだろう

 

慣れは怖い

 

あれほど大事に大事にしてきたのに

 

慣れてしまえば簡単に放り出してしまえるのだ

 

 

 

 

大切と慣れを天秤にかけたとしたら

 

それは平等な結果をもたらさない

 

なぜならそれぞれの心のあり方に左右されてしまうからだ

 

大切なものをきちんと大切だと判断できる心と

 

大切なものをきちんと大切だと判断できない心

 

大切なものを失うことを理解しているようでしていない後者は

なおのことたちが悪い

 

きっとその手から零れ落ちなければ気づくことができないのだ

 

 

 

 

その覚悟がお前にあるか

 

 

 

理性。

 

 

今すぐにでも走りだしたい

 

 

ここから

 

 

 

 

どこか  遠く 遠く 遠く  へ

 

 

 

 

 

 

昔から使えないままの絵葉書の言葉

 

 

わたしたちはどこへだっていけるし

何者にだってなれる

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘だ

 

 

 

 

そんなことできやしない

 

 

 

 

 

 

ここから走りだしてしまいたい衝動だって

 

頭がおかしくなるくらい叫びたい心臓だって

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと  理性  とやらに守られているに違いないじゃないか

 

 

 

 

 

 

夏風の匂いは揺れるカーテンを抜けて苛立つほどに過去を連れてくる

 

 

 

 

 

あの日何度も繰り返し聴いていた音も

 

なんてことのないくだらない会話も

 

ふと薫る名前も知らない香水も

 

ただまっすぐ疑うことなく歩いた風景も

 

外国製のかっこつけたタバコの煙も

 

 

 

 

 

 

それでも     今     は流れている

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘じゃないかも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理性なんて何億光年も先に置いてきていて

 

本当はもう走りだしていて

 

戻ることを考えられていなくて

 

失くしていたものを必死で探していて

 

 

 

 

 

とっくに底のほうまで溺れていること

 

 

 

 

 

 

同じ想いがそこに存在しているのなら

 

 

 

 

タダイマ。 私の居場所。


こんな気持ちで唄うのはいつ以来だろう

 

 

 

 

こんな気持ちで音を追うのはいつ以来だろう

 

 

 

 

 

 

 

あの懐かしい日にふと心だけが連れていかれてしまって

置き去りにされた身体はどれほどの歳月が流れてしまったのかを思い知る

 

 


ここまで来るのに色んなことがありすぎたのだとも思うし

たいして何事もなかったかのようにも思える

 

 

 


なぜこの場所まで来てしまったのか

 

こんなはずじゃなかった、とでも言いたいのか

まるで映画のワンシーン

 

 


どうして

 

 

 

両手に持ちきれないくらい抱えた

 


秘密のこと

 

 

きっとあのときから崩れてしまって

 

すがるようにたどり着いたのだと思う
自分でもわからなくなるほど

 

 

 

そしてまた
秘密は、ひとつ、ひとつ、増えて

 

 

吐き出してしまいそうな今を

 

 


この中に閉じ込めて

絶対に見つかることのないココに

 

苦しくて息ができないなんて

 

 

 

 

初めて知った

 

 

そんなことはわかってる

 

 


それでもいい

 


ただ

ただ

 

 

 

 

こんな

 

 

 

 

 

 

こんな気持ちでユメをみてしまうのはいつ以来だろう

 

 

 

 

こんな気持ちで言葉を探すのはいつ以来だろう

 

 

 

 

94282150.at.webry.info